スノーエリアに住み込んでウィンタースポーツを楽しみつくす【雪山こもり】、その魅力を伝えていきたい私でございますが、秋になると仕事そっちのけでスノーボード装備や冬の車の装備をどうするかニヤニヤしながら考えています。(仕事しろ)
とはいえスノーボードの装備に関しては毎年春までに翌シーズンの予約は完了しているので、購入済みの商品の到着や追加で欲しくなっちゃった物の入荷情報をチェックする毎日です。(仕事しろ)
さて本題に入りますが、今回はスノーボード中毒になり雪山こもりをする時の車は寒冷地仕様車じゃなきゃだめなのか、実際どんな風にどこまで準備すべきなのか、私が体験してきたことをソースに記事を書いてみました。
雪山・雪国で暮らすという事の、美味しい部分以外の現実的な情報もしっかり発信していきたいと思っております!
※ガソリン車の場合のお話です
寒冷地仕様車とは
寒冷地仕様車とは、その名の通り寒冷地で車を安全に走行する事に対応した仕様になっている車です。本州で購入する車ではオプションとして選択することもできますが、北海道のような極寒の地で新車を買おうとすると寒冷地仕様が全車標準装備であることが基本のようです。
どんなオプションかと言うと…
オプションについて詳しいことはこちらの記事にまとめましたので割愛します!よかったら参考にしてみてください。
雪山こもりする人は寒冷地仕様車にするべき?
寒いところに行くには車を多少なりともいじめる事になりそうなことは想像がつきますが、
実際どこまでの装備が必要なの?
ちょっと行くくらいならそんなに気にしなくていいの?
非寒冷地仕様車では雪国で暮らせないの?
いろんな疑問が浮かんできます。
何を隠そう、私が実際に雪山こもりを始める際疑問に思った事です。寒いところでの寒冷地仕様の必要性はわかったけど、だって今乗ってるの寒冷地仕様車じゃないし?だめなの?
※スタッドレスタイヤおよびチェーンの装備は「なし」という選択肢はございませんので、これは確実に持っていることを前提とします。
結論から言うと、非寒冷地仕様車でも可能な限り手を加えれば北海道で暮らすことはできます。もちろん後付けできない電熱線などの装備もありますので、”暖まるまで時間がかかる”、”寒い”など我慢で乗り越えることも多いにあり、場所にもよりますが、寒冷地仕様車じゃないと暮らせない訳ではありません。ただし、最悪の事態に遭遇した時にはこの寒冷地仕様があったから助かる、ということもあります。
ここからは実際に私が経験したことをもとに、どんな場面で必要性を感じたかを書いていきます!
考え方① エリアによる
私は主に関東甲信越エリアをメインに滑っています。雪山こもりをしたのもこのエリアが多いので基準がこの辺りのスノーエリアまたは甲信越以北になります。
このエリアのスキー場は駐車場で最低気温が−10℃前後のところがほとんどですので、無知だった私が対策したのは雪用ワイパーくらいでした。奇跡的に問題なく雪山こもりができましたが、せめてバッテリーくらいは大きくしとけよって過去の自分に言いたいです。(必ずしも大丈夫、と言う訳ではありません。後半で最低限やるべきことを書きましたのであくまでも参考まで。)
しかしこの範囲で「明日の朝車動くかな?」と心配になった場所もあります。
❶峠近く(標高の高いところ)
日本の国道で最も標高の高い、群馬県と長野県にまたがる「渋峠」周辺で車中泊をした時は流石に心配で寝つきが悪かったのを覚えています。冷え込みがひどくなく、翌朝問題なく動きましたがこんな一か八かみたいな行動は雪山ではしてはいけません。冬期閉鎖や志賀草津道路の通行止めもあり、真冬に行く機会は少なめかと思いますが、とにかく標高の高い峠近辺は注意です。
❷志賀高原エリア
その渋峠の近くにあるのがこの志賀高原エリアです。そもそも雪道の運転も坂道が多く厳しめで、2WDで登るのは勇気がいりますし、道幅も狭いところが多いです。標高が高く雪質も良い、と言うことは当然冷えます。−20℃の冷え込みも覚悟して、長期滞在するならば車もある程度装備した方がいいです。
❸菅平・軽井沢・万座・湯の丸
このあたりのスキー場も冷え込むことで有名です。菅平は日本一寒い日もあるほどで、過去にはなんとー29.2℃を記録したことも。私の経験では晴天で無風の昼間でさえ−9℃なんて日もありました。志賀高原同様、長期滞在には装備した方がいいです。
まずは「行く予定の地名」+「最低気温」でネット検索して記事後半と合わせて判断材料にしてみてください。大切なのはその土地の気温に合わせた準備です。
考え方② 通勤で使うか否か(頻度)
雪山にこもっていても車に毎日乗るのか、週に一回くらいしか乗らないのか、にもよります。これは特にバッテリーの容量に大きく関わってきます。
毎日乗るならバッテリー容量が最大でなくともなんとかなることが多いです。かかりが悪いことも経験上ありませんでした。しかし毎日乗らないならなるべくバッテリー容量の大きいものを積んであげた方がいいです。最低でも3〜4日に1回はエンジンかけてあげると安心です。
そしてたまにしか乗らない、手入れの機会が少なめとなると雪かきもえらいことになる上、錆の進行も心配なのでしっかり防錆加工した方がいいです。
寒冷地レベル別の対策パターン
このエリアだったら最低でもこのくらい準備した方がいいよって私的見解の基準です。この装備だけで余裕だよって意味ではないので、そこはお財布とご相談の上ご自身の判断でご安全にお願いします。
レベル★★★(MAX)
ズバリ、北海道に移住するなら寒冷地仕様車の方が望ましいですね。なぜって
寒すぎる!
悪路当たり前!
除雪車来るの待ってられない行くぞ!
他県ナンバー?慣れてないやつはどきやがれ!
(これは主観。けど道民運転荒い人多くて泣いた)
とにかく冷え込みが本州とは全く違う。スキー場があるようなところではハイシーズンは最高気温でも氷点下当たり前。
まあ確かに、この後書いてるレベル★★☆でも暮らすことはできます、実際私も数年過ごしました。しかし「やっぱり寒冷地仕様じゃないとね」と思ったのは…
▶︎吹雪でホワイトアウトした時
・前走車がリアフォグランプついてて助かりました。(後続車ごめん)特に山道など街灯のない道路ではどの方向に進んでるのかわからなくなるほどで、何か頼りになるものを見つけるしかないのです。自分の存在を知らせないと衝突されます。
▶︎冷え込みが厳しすぎる日
・ワイパーしてもしても即凍っていくので視界が確保できない
・サイドミラーに雪がついて何も見えない(熱線が入っていればとけて見える)
もちろん毎日ではないのですが、住んでいれば必ずこういう日に出会います。特に視界が確保できないのは本当に危なすぎます。慣れとかの問題ではない。いざとなった時に助けられるので、最大限テクノロジーに頼るべきだと思いました。
▶︎北海道の中でもトマム/富良野などへの雪山こもりを考えてる人
ニセコとかも確かに寒いんですが、内地、道北エリアはさらに寒いので寒冷地仕様の方が望ましいですね。私の友人は非寒冷地仕様車でトマムにこもったんですが凍結路や極寒に対応しきれず札幌に屋内駐車場を借りてました。
シーズンにもよりますが、
こんな思い出です。
要するにこんな人にすすめたい
マイナス20〜30℃が当たり前の環境に長く滞在する人
レベル★★☆
▶︎北海道にスノーボード旅行や短期で雪山こもり、非寒冷地仕様車しか持ってないけど、フェリー使ってマイカーで行きたい
▶︎先に説明したように本州でも標高の高いエリア、簡単にいうと「雪質がいい」「春も十分楽しめるほど雪が豊富」と言われているエリア(気温が低く上質な雪が降り、標高が高いので雪が残りやすい)
・全国の峠道付近
・北海道(災害級の悪天候以外の時など短期でいくだけならば)
・東北 夏油/蔵王/安比
・長野 志賀高原/菅平/万座/湯の丸 など(すんごい降るわけではないけど雪質が良い、寒い)
この辺を考えてる人は後付けできるものは全て準備した方がいいと思います。
※あくまでも寒さで印象に残っているところを書きました。「いやここの冷え込み半端ないぜ!」ってスノーエリアが他にもありましたら気軽にコメントください。
要するにこんな人にすすめたい
- マイナス20〜30℃が当たり前の環境にちょっと行ってくる人
- マイナス20〜30℃になり得る環境に短期滞在する人
レベル★☆☆
▶︎先に説明した、本州でも標高が高いなど厳しいエリア以外での雪山こもり、スノーボード旅行など
(沼田/水上/湯沢/妙高/野沢温泉/白馬 など)
スキー・スノーボードが趣味の方なら最低でも気にするべきことです。特にこのエリアでは融雪剤をガンガンまくところも多いので、防錆はしっかり行っておきましょう。
要するにこんな人にすすめたい
最低気温がマイナス15〜20℃前後の環境に行く・滞在する人
つまりは
簡単に言うと、だいたいのところはレベル★★☆でしのげます。なんなら、ちょっとその辺のスキー場に行くだけならレベル★☆☆でも行けちゃいます。けど、厳しい環境の場所に長く滞在するならばレベル★★★まであった方が安心だよってあくまで私が馴染みの車整備士さんと話し合った見解でございます。
天気は何が起こるかわかりません。MAX準備してもダメな時はダメなんです。お金もかかることではありますが、可能な限り、最悪な状況になる可能性を潰す選択をしてください。
滞在の仕方によってするべき装備は変わる?
車の装備も内装含め、いろいろ手をかけようと思うとやりたいこといっぱいあるんですが、とにかく安心安全にスノーエリアに行けること、雪山こもりできることが一番です。
週末だけ滑るサンデーボーダーと雪山こもりの人で寒冷地仕様装備の重要度が変わってくる部分もあると思います。厳しい環境に車を晒す時間の違い、もありますよね。
サンデーボーダーならば災害級の悪天候予報なら「行かない」選択肢もありますが、こもっている人はどうにかして乗り越え、生活しなければならないからです。しかし逆にこもっていれば運転しなくてもスキー場に行ける場合もあるけど、サンデーボーダーはどんなに悪天候になってしまっても運転しなければならない、と言う見方もあります。
要するに、いずれにしてももしもの時のために最低限備えることが重要なのは変わりませんが、プラスαすべきことは個々の環境で判断しなければならないのです。「このエリアだからこの装備で」とは一概に言えないですよね。悩ましい!
愛車に長く安全に乗れるよう、きちんと準備しましょう!